本記事は、Cerevoスタッフが業務や趣味について思うままに書き綴るアドベントカレンダー企画「Cerevo アドベントTechBlog 2017」の第9日目です。
Cerevo アドベントTechBlog 2017
http://tech-blog.cerevo.com/archives/category/adventcalendar/2017/
Cerevo TechBlogをお読みの皆様、はじめまして。国内営業を担当している佐藤です。
まだ二十代の前半の人間ではあるのですが、私の趣味の1つに「銭湯巡り」があります。
そう聞くと「おいおい、銭湯とはジジ臭い趣味やな〜」と思う人がいるかと思いますが、そんなことはありません。まだまだ少数派ではあるものの、若い人で家にバスタブがありつつも、あえて銭湯に通う人が増えているような気がします。
最近では、マガジンハウス社のカルチャー紙『POPEYE』にちょくちょく銭湯がフィーチャーされていたり、新宿伊勢丹で銭湯をテーマにした催事が開かれたり、昨年は『孤独のグルメ』の作者で知られる久住昌之さん原作の銭湯ドラマ『昼のセント酒』が放映されたりと、銭湯が露出する場面が実際ここ数年で増えています。
そうした露出によって銭湯の魅力が再認識されて、多くの家庭にお風呂がなかった時代の「公衆浴場」という枠組みを超えた、趣味としての「銭湯」を楽しむライフスタイルが徐々に広まっているのかなと私は真面目に考えています。
そんな変革期を迎えている銭湯の魅力を皆様に知っていただこうと、2017年アドベントカレンダー9日目では「銭湯」の魅力とおすすめの銭湯を紹介していきたいと思います。
魅力その1:大きな浴槽と高い天井による開放感
銭湯の魅力は、何と言ってもこれに尽きます。
誰しも家でお風呂を沸かして、浴槽が小さいな、窮屈だな…と感じたことはあると思います。よほど大きいバスタブでない限り、体育座りをしなければちゃんとお湯に浸かれないでしょう。しっかり足を伸ばして体を温めたい!そんなフラストレーションを感じたことはありませんか?
その悩みは、銭湯が解決します!
一度、銭湯に行ったことがある(あるいはドラマやアニメで見たことがある)人なら分かると思いますが、銭湯の浴槽は一般家庭のバスタブと比較にならないほど大きいものです。そのため、ぐっーと足を延ばすことが可能です。特に開店して間もない時や閉店間際は人が少ないので、その時を狙うのがポイント。
また銭湯のお湯は浴槽のギリギリまで張ってあるので、肩までしっかりと浸かることができます。全身の力を銭湯に任せた時の開放感は、なんとも言えません。デスクワークでずっと同じ姿勢をとっている、特にエンジニアさんは、銭湯で開放されましょう。
東京都公衆浴場組合が、北海道大学の教授に依頼し実施した「大きな風呂と小さな風呂の比較実験」によれば、大きいお風呂に浸かった時に脳波(α波)が増加し、リラックスしている一方で、小さいお風呂では脳波に変化が無かったとのこと。こうした調査からも、銭湯の大きな浴槽での入浴は、よりリラックスものだと言えるでしょう。
魅力その2:熱いお湯と水を交互に入る交互浴ができる
皆さんは「交互浴」という健康になる入浴法をご存知でしょうか?
交互浴とは、お湯(またはサウナ)と冷たい水を交互に繰り返す入浴法のこと。インターネット界で「銭湯神」と崇められている著名ブロガーのヨッピーさんが紹介したことで、結構話題になりました。ヨッピーさん曰く、交互浴をすることで寝付きがよくなったり、風邪を引かなくなるのだとか。神がおっしゃるのですから、間違いはないでしょう。
銭湯神ヨッピーが語る!東京都内のおすすめ銭湯&交互浴のススメ
https://travel.spot-app.jp/tokyo_sento_yoppy/
お湯に浸かると、身体の先端まで熱が伝わり、全身がジンジンして、ポカポカ温まりますよね。それはお湯に浸かることで、末梢血管が拡張されやすくなり、酸素や栄養が筋肉に送られているのだそうです。そして冷たい水にザブンと浸かることで、全身に不思議な感覚が伝わります。ヨッピーさんのように「整った〜〜!」という感じになるのです。
何度も交互浴を繰り返していると、身体が慣れてきて、水の冷たさを感じなくなっていきます。その時、自分はまるで涅槃のような心地よい小宇宙にいる感覚を得ます……そこで生きることへの尊さを改めて感じるのです。
そのほかにも、交互浴って色々な効能があると感じています。私はアレルギー性皮膚炎を抱えており、もともと肌が弱いのですが、夏場は汗をかき痒さが増し、冬場は乾燥により痒くなってしまいます。そうした季節による影響を受け、掻きむしってしまい段々と肌が荒れていってしまったのですが、体質だからと治すのを諦めていました。しかし、3年前ぐらいから銭湯に行き、交互浴をするようになってから改善されるようになりました。交互浴に適した銭湯は、後ほど紹介しますね。
魅力その3.入浴料金がワンコインでお釣りが来るという手軽さ
銭湯の魅力で忘れてはならないのが、その安さです。
東京都の銭湯は入浴料金が460円で、500円玉たった1枚あれば入浴ができます。銭湯によって異なりますが、タオルの貸出が30円だったりするので、500円以内でほぼ手ぶらで入浴することが可能。
サウナが併設されている銭湯もあり、こちらも価格は銭湯によってことなりますが、安いところだと100円でサウナに入れる銭湯もあります。
500円前後で日常の閉塞感から開放され、毎日の健康を維持できるのであれば、安いものだと思いませんか?
魅力その4.銭湯の数だけある多様なバリエーション
最後に、銭湯の魅力はその多様さにあります。現在銭湯は全国に4000近くあり、東京では600ほどの数の銭湯があります。そして、その数だけ、銭湯には様々な「表情」があります。
例えば
・下町の昔ながらの佇まいを持った銭湯
・リニューアルをしてスーパー銭湯に引けを取らない設備を持つ銭湯
・有形文化財に指定された銭湯
・『アメトーーク!』の銭湯大好き芸人をよく見かける銭湯(サバンナ高橋の出没率は異常)
・プール付きの銭湯
・地元の人だらけの銭湯
・ロシア洋館造りの銭湯
などなど、ほんとに多種多様なのです。
また日本の東と西では、浴場のスタイルも異なっています。東京を始めとする東側では浴槽が奥に設置され、身体を洗う場所が川の字並んでいますが、西の銭湯は浴場の真ん中に浴槽があり、その浴槽の周りに身体を洗うカランが並んでいます(回の字型)。
幹線道路沿いにチェーン店がひしめき合い、田舎の原風景が失われている現代でも、こうした地域による違いが感じられるのは銭湯ならではだなと思います。
また東京都の銭湯では、訪ねた銭湯で押してもらえるスタンプを集める「お遍路巡礼」と呼ばれるスタンプラリーが行われています。
お遍路88ヶ所めぐると東京都公衆浴場組合から認定バッチを貰えるのですが、それなりに達成感があります。私も気づけば訪ねた銭湯は88ヶ所を超え、既に2枚目突入です笑
東京都内のCerevo的おすすめの銭湯・7選
今までに100ヶ所以上銭湯を訪ね歩いてきましたが、色々行って見るなかで自分の中に基準が生まれ、幾つかずっと通いたい銭湯がででくるものです。ここではその中でも東京都内にあるお勧めの銭湯を紹介していきます。
インターネットで「東京 銭湯 おすすめ」などと検索すると、有名なところでは表参道の「清水湯」や中目黒の「光明泉」などが掲載されているのですが、ここでそれらを紹介するのはCerevo的には面白くありません(それらの銭湯も素晴らしく、良いのですが!)。『グローバルニッチ』を掲げる弊社としては、万人受けするようなものではなく、ちょっと何か違ったエッセンスのある興味深い銭湯を紹介するべきだと思うわけです。
この記事では「おそらく…まだあまり知られてはいないけど、初心者にもCerevo的にもおすすめできる銭湯」を7つほどご紹介していきたいと思います。
1.燕湯(台東区・御徒町)
まずは弊社から近い銭湯をご紹介します。「燕湯」は秋葉原と御徒町の間にある銭湯で、弊社からは徒歩5分もかかりません。ここはなんといっても雑居ビルが並ぶ中に屋根瓦がドーンとみえるその存在感が魅力です。通ると「おお凄い立派な建物だなあ」と思うはず。これを見るだけでも結構価値があります。
実はこの銭湯、建物全体と浴場内にある岩山が国の登録有形文化財に登録されています。浴槽にある岩山は富士山の溶岩を使用しており、そのゴツゴツした形状はかなりインパクトがあります。また熱い銭湯として知られているので、熱い銭湯に慣れていない方はお気をつけください。
ちなみに朝6時〜夜20時までの営業で、普通の銭湯と異なります(普通は15時〜深夜まで)。仕事帰りに行こうかな〜と考えている方はご注意を。
住所 | 〒110-0005 台東区上野3-14-5(Google MAP) |
営業時間 | 朝 6:00-20:00 |
定休日 | 月曜日 |
初心者おすすめ度 | ★★☆☆☆ |
Cerevo的おすすめ度 | ★★★★☆ |
2.万年湯(新宿区・新大久保)
万年湯は、去年2016年8月にリニューアルオープンして出来た銭湯。そのため館内は非常に綺麗です。
面白いところはその場所にあり、なんと新大久保の路地裏にあります。新大久保といえば、チャイナタウンにコリアンタウンと、最近ではイスラム系が混ざった非常にカオスな街ですが、初めて行く人にとっては、「え?こんなところにあるの?」とびっくりすることでしょう。隣のネパール人しかいないネパールバーがいい味を出しています。
ここは何が素晴らしいかというと、先ほど紹介した交互浴に適していること。ここの高温風呂は45度ぐらいでかなり熱いのですが、超微細気泡のシルクバスのおかげで熱すぎ!と感じない程度で入れるようになっています。一方の水風呂は、20度ぐらいでギリギリずっと入っていられる温度。水風呂はあまり温度が低すぎると足首が痛くなり長く入っていられないのですが、ここ万年湯はお湯・お水共にちょうどいい塩梅の温度なのです。
私はもう既に100回は通っているのですが、行く度に肌が強くなっている気がします。そうそう、ここのお湯は軟水で、肌への刺激が少なく、風呂上がりに乾燥しにくく、そして湯冷めしにくいのです。また店主・奥様共に挨拶がハキハキしていて、サービス精神に溢れており、ファンになること間違いなし。
住所 | 〒169-0072 東京都新宿区大久保1-15-17(Google MAP) |
営業時間 | 15:00-0:00 |
定休日 | 土曜日 |
初心者おすすめ度 | ★★★★☆ |
Cerevo的おすすめ度 | ★★★★☆ |
3.バン・ドゥーシュ(千代田区・半蔵門)
ランニングを趣味にしている人は、ぜひ半蔵門にある「バン・ドゥーシュ」へ足を運んでみてはいかがでしょうか。「バン・ドゥーシュ」というのはフランス語で「浴び場」という意味、つまり銭湯。
この銭湯は皇居の西側に位置しており、皇居ランナーの聖地として有名です。一度荷物を預けて着替えて、皇居周りをぐるっとランニングしてから、お風呂に入ることができるのです。
今では皇居周辺のランナーの光景は当たり前になり、周辺にはランナーをサポートするランニングステーションが至る所にあります。しかし「皇居ラン」という言葉がメジャーになる前は、この「バン・ドゥーシュ」が皇居を走る方々をサポートしていたのです。
ここは、たまに企業と連携していたりして、スポーツドリンクを試飲させてもらえたり、発売予定の新商品を貰えたりします。ちょびっと嬉しい気分。
銭湯とは関係ないですが、半蔵門の交差点にある東京FMのビルの地下に「JOGURIS(ジョグリス)」というランニングステーションがあります。ランニングステーションの草分け的存在のここもお勧めです(ここのシャワーの圧力が驚くほど強く、走った後に浴びると、銭湯とは違ってまたこちらも気持ちよいのです)
住所 | 〒102-0083 東京都千代田区麹町1丁目1-5-4(Google MAP) |
営業時間 | 平日 15:00-0:00 土曜 12:30-23:00 |
定休日 | 日曜日 |
初心者おすすめ度 | ★★☆☆☆ |
Cerevo的おすすめ度 | ★★☆☆☆ |
4.六龍鉱泉(台東区・上野公園裏)
「俺は熱い銭湯が大好きだ!」と松岡修造ぐらいに熱いココロをお持ちの方は、上野公園裏にある「六龍鉱泉」をオススメします。なんだか中二病っぽい名前ですね。最寄り駅は根津。
2016年1月20日放送のマツコ・デラックスと有吉弘行の『怒り新党』で「新・3大熱い銭湯特集」というタイトルで都内の熱い銭湯が3つ紹介されましたが、そこで選ばれた銭湯よりも熱いと個人的に思う銭湯がこの六龍鉱泉です。
私が訪れた時は、47-8度のお湯で足を入れるのも難しいぐらいの温度で、熱いお湯には慣れているだろう下町のお爺いちゃんも「熱すぎるんじゃ!コラァ!」と叫んだレベル。お湯がわいて、開店がまもない昼下がりの時間に行ったということも理由の一つにあったと思いますが、それにしても熱すぎます。。怖いものしらずのベンチャー気質のある人は是非挑戦を。
住所 | 〒110-0008 東京都台東区池之端3-4-20(Google MAP) |
営業時間 | 15:30-23:00 |
定休日 | 月曜日 |
初心者おすすめ度 | ★☆☆☆☆ |
Cerevo的おすすめ度 | ★★★★★ |
5.藤の湯(世田谷区・用賀/二子玉川)
熱い銭湯なんて嫌!もっとディープで情緒のある銭湯に入りたいという方に「藤の湯」はいかがでしょうか。二子玉川と用賀の間にあり、ちょっと歩く必要はあるのですが、場所的にややハイソな住宅街の中にあり、この銭湯は不思議な雰囲気を醸し出しています。
この銭湯は、一言でいうと旅館のような銭湯。宮造りの立派な外観で、中に入ると長年使われてきた木のぬくもりが随所に感じられます。入り口の暖簾に「湯屋」って書いてあるのも、なんだか他と違って、温かみを感じるんです。
中に入ると、ペンキ絵で富士山は描かれていないのですが、壁一面に木がふんだんに使われていて、まるで地方の山奥の温泉を訪れたかのような空間になっています。極めつけは檜風呂で、檜の香りに癒やされながら入浴ができるのが特徴。そっと目を閉じ、呼吸にスッと意識を集中させると、身体全体の緊張が解きほぐされて癒やされるのです。
住所 | 〒158-0096 東京都世田谷区玉川台2-1-16(Google MAP) |
営業時間 | 15:30-23:00 |
定休日 | 金曜日 |
初心者おすすめ度 | ★★★★★ |
Cerevo的おすすめ度 | ★★☆☆☆ |
6.大黒湯(墨田区・錦糸町)
錦糸町と押上の間にある大黒湯は、スカイツリーが見える銭湯として有名です。
浴場内の壁には有名な絵師さんによるスカイツリーが富士山と共に描かれていて、露天風呂のある外に出るとウッドデッキがあり、スカイツリーが望めるようになっています。このアドベントカレンダーの時期は寒いので流石にお勧めできませんが、夏場は温もって火照った体を涼ませるのに最適なんです。スカイツリーを見ながらね。
最近は銭湯では珍しく(もしかして初なのかも?)深夜営業を始めたそうで、昼の15時から翌日朝の10時まで営業するようになりました。朝仕事前のひとっ風呂や疲れて帰って直ぐ寝てしまった翌日の朝風呂なんかにもおすすめ。
この周辺(墨田区)は、相撲部屋がいくつかあり、たまに力士さんの姿が見えるのも街の情緒を感じられるポイント。力士さんが浴槽に入るとざぶーんと、予想を遥かに超えるお湯が浴槽から溢れ出るんですよね。
代々木上原と北千住に同じ「大黒湯」という名前の銭湯があるので、ご注意を。ちなみに、北千住のほうはキングオブ銭湯と呼ばれるほど有名な銭湯です。
住所 | 〒130-0003 東京都墨田区横川3-12-14(Google MAP) |
営業時間 | 平日 15:00-翌朝10:00 土曜 14:00-翌朝10:00 日曜 13:00-翌朝10:00 |
定休日 | 火曜日 |
初心者おすすめ度 | ★★★☆☆ |
Cerevo的おすすめ度 | ★★★★☆ |
7.御谷湯(墨田区・両国/錦糸町)
同じ墨田区に、もうひとつおすすめの銭湯があります。それがこの御谷湯(みこくゆと読みます)。ここも露天風呂がついており、スカイツリーを望めるようになっています。2015年にリニューアルされた、天井が高くとても綺麗な銭湯です。
ここは高温風呂・中温風呂・低温風呂(水風呂)と様々な温度の風呂が用意されているのですが、新大久保の万年湯のように高温・水風呂だけれども長く入っていられる温度で交互浴に適しています。それにプラスして、ここのお湯はなんと源泉かけ流しの温泉で、褐色の黒湯なのです。もう一度言います、銭湯なのに、温泉です!
駅から距離があって、ちょっと歩くので不便ではありますが、真面目に交互浴やりたいなという人にはぜひ来ていただきたい銭湯です。深夜2時までやっているので、仕事が遅くなってしまっても安心。
住所 | 〒130-0011 東京都墨田区石原3-30-8(Google MAP) |
営業時間 | 15:30-深夜2:00 |
定休日 | 月曜日 |
初心者おすすめ度 | ★★★★☆ |
Cerevo的おすすめ度 | ★★☆☆☆ |
その他・銭湯の探し方
ざっとお勧めの銭湯を7つご紹介しましたが、その他にも東京には紹介しきれないほど魅力的な銭湯がいっぱいあります。ここ数年はネット系メディアも充実し、銭湯の情報が増え、調べやすくなっています。
おすすめどころでは、
・東京公衆浴場協会「東京銭湯マップ」
・銭湯のオウンドメディア「TOKYO SENTO」
・現在地から全国の銭湯を見つけることができるiOSアプリ「いい湯なび」
など、手軽にご自宅や勤務先周辺の銭湯を見つけることが可能です。実際に行ってみて、ぜひ自分のお気に入りの銭湯や銭湯の入り方を見つけてみてくださいね。
あ、最後に忘年会シーズンですからお伝えしておきます、お酒を飲んだ後の入浴は厳禁ですよ!