本記事は、Cerevoスタッフが業務や趣味について思うままに書き綴るアドベントカレンダー企画「Cerevo アドベントTechBlog 2017」の第5日目です。
Cerevo アドベントTechBlog 2017
http://tech-blog.cerevo.com/archives/category/adventcalendar/2017/
※上記作品の図案はヌン(@nun_)様のサイトから使用させていただいております(右写真の宝石のようなものはのぞく)
もうすぐクリスマスですね。はじめましてmymと申します。普段は組み込みのファームウェアなどを書かせていただいております。
ところでドットっていいですよね(唐突)。冒頭の写真はアイロンビーズで作ったクリスマスキャラクターになるのですが、皆様アイロンビーズってご存知でしょうか。
アイロンビーズって?
簡単に言うと、ビーズを専用ボード(ペグボードとかプレートとかよばれます)に並べてアイロンをかけるだけで、ドット絵の作品を簡単に作れるグッズになります。かわいいもの好きのお姉さんやお子さんだけでなく、ファミコン世代のおにいさん?という普段はかわいいものとは縁遠い層にも人気があるのです。
そんなアイロンビーズを社内で紹介したところ、カデーニャファクトリー(弊社運営オウンドメディア内のマンガ)のキャラクターを勝手にドット化してしまおう計画なるものが立案されてしまいました。
カデーニャについて詳しくはアドベントカレンダー3日目の記事をご覧ください
ハードウェアメーカーがWebメディアをはじめた理由[3日目]
https://tech-blog.cerevo.com/archives/5262/
ドット化するんだったらアイロンビーズで勝手に作ってしまおうというのが今回のテーマになります。
工程表
アイロンビーズ作品の作成工程を大きく分けてみると下記のような感じになるでしょうか。それっぽさを出すために無理やりエンジニア的な用語を当てはめてみました。
- 何を作るか決める(要求仕様)
- 図案、ビーズ設計図作成(詳細設計)
- 道具の準備(開発環境)
- 並べる(実装)
- アイロンがけ(ビルド)
- 公開(リリース)
順を追って説明していきましょう。
何を作るか決める
要求仕様ですね。とても大事です。今回は目的がはっきりしているのでカデーニャファクトリーから私の独断と偏見で好きなコマを選びました。どのコマを選んだかは今は伏せておきます。
図案作成
次に図案作成です。詳細設計です。図案というのは、ビーズをどのように並べるか予め図にしておいたものになります。インターネット上には図案作成用のサイトだったりツールだったりがたくさんあるのですが、今回のように元になる画像がある場合、それを図案(xlsxファイル)に変換してくれるとても便利なツールを公開している方がいましたのでそちらを使わせていただきました。
BeadsImageConverter
https://github.com/Mogy/BeadsImageConverter/releases
githubです。ソースコードも公開してらっしゃいます。試しにVisualStudioでビルドしたら普通に動きました。素晴らしい。なんかエンジニアっぽい用語が出てきてちょっと安心しています。Mogyさんありがとうございます。上記リンクはビルド済みのツールも公開してらっしゃいますので自分でビルドする必要はありませんw
45×45ピクセル程度でサイズを収められると個人的には作りやすいので(大きさは何を作りたいか次第ですが)、画像を縮小してからBeadsImageConverterを使用しました。できあがったファイルは画像をそのままビーズの設計図に変換してくれているので、逆に言うと画像縮小時のぼやけなんかも再現されてしまいます(色数が多い画像だと、縮小時に色自体もかなり変わってしまいます)。なので、元絵と見比べながら特徴は維持するような微修正をビーズを並べながら随時行っていきました。詳細設計を終えても実装時に設計にフィードバックをかけて設計変更していく感じに似てますね(強引)。
図案なしで作れる方も世の中にはたくさんいらっしゃいますので、ここはご参考までにという程度ではあるのですが、あった方が並べるのは早いかなあ。
道具の準備
開発環境の構築になります。基本的に必要なものは、アイロンビーズ、ペグボード、ピンセット、アイロン、アイロンペーパーになります。
アイロンビーズにもいろいろ種類があるのですが、私はミニフューズビーズという種類のビーズを使っています。アイロンビーズに何を使うか選ぶとこなんかもマイコン選びとかに似てますよね(もっと強引)。アイロンはアイロンビーズ用として推奨してる方がたくさんいたパナソニックのドライアイロンNI-A66を使用しています。この辺り詳しく説明している方がたくさんいますので詳細は省きます(最後に参考サイトをご紹介させていただきます)。
並べてみる
実装です。前置きが随分と長くなってしまったので、並べる部分は写真で一気に紹介します。
開始。私は大体輪郭となる部分(黒のことが多い)から並べていきます。
顔が見えてきました。
輪郭大体終了。ここから色をつけていきます。
狭い部分から適当に。
顔と、髪色完了。服の色悩み中。
服も並べて完了です。
アイロンがけ
ビルドです(とはいっても失敗した場合ソースコードが破棄されるぐらいのインパクトがありますがw)。アイロンをかける時はアイロンシートを上にのせ、その上からアイロンをかけます。アイロンシートはクッキングシートなんかでも代用可能だそうです。シートをかけずにアイロンかけるとアイロンにくっついてしまって結構大変なことになるので注意です。なによりもせっかく並べたものが多分無駄になります。
アイロンの温度は低めです。
アイロンをかけたビーズはある程度の大きさ以上だと結構反ってしまうので、冷えるまで重しをのせておきます。
いい感じになったなと思ったらペグボードからはがします。ここ結構気持ちいいです。ただ油断すると、裂けたりするのである程度慎重に行いましょう。
強度を増すために裏面も軽くアイロンがけします。裏から見ても普通に見えるのもおもしろいですよね。
というわけでカデーニャファクトリー女性エンジニアさんの完成です。固まった作品は結構丈夫にできていて、ちょっとやそっとでは破れたりしないのも魅力です。
そんな感じで他のキャラクターも作っていきましょう。
カデーニャファクトリー(ドット版)
リリースです。
新人経理の原わかばちゃん。カデーニャファクトリーのメインキャラクターですね。何に驚いているのでしょうか?w
社長の空知宇宙。なぜか泣き顔の印象が強いです。
女性エンジニア 手に持ってるのはドライバーだよ。
カデーニャファクトリー著者のたきりょうこさん近影。
みんな並べてみました。どのコマを作ったかはカデーニャファクトリーから探してみてくださいw
カデーニャファクトリー
https://kadenya.news/archives/category/comic
私は絵には全く自信がないのですが、それでも絵を自分で描いたかのような感覚にもなれちゃいます。
いかがでしたでしょうか。アイロンビーズ始めて見たいという方やドットに興味を持たれた方が増えると幸いです。
ご紹介
最後に、アイロンビーズに興味をもってくださった方にご紹介です。
ぬんびりぶろぐ
アイロンビーズをはじめるにはどうしたらいいかは、冒頭でも図案を利用させていただいたヌン様のブログが非常に丁寧で分かりやすいです。今回の記事での図案利用にも快く許可をいただきました。ありがとうございます。
ヌン様はブログ以外にもYoutubeで動画公開もされています。並べるだけの平面作品だけでなく、立体作品などほんとにアイロンビーズで作ったのかと思える素晴らしい作品や図案もあり、見ているだけで楽しくなるものをたくさん紹介されていますのでぜひご覧ください。
PixelArtPark
http://pixelartpark.com/
一年に一度開催されているドット作品の祭典です。アイロンビーズ作品に興味を持たれた方などには夢のような空間が広がっていると思います。アイロンビーズだけではなく、ゲームや音楽、アクセサリーなどいろいろな作品が展示、販売されていました。おそらく来年も開催されると思いますので、その際は是非足を運んでみてはどうでしょうか。(余談ですが、このPixelArtParkというイベントは弊社から徒歩2分程度という距離のアーツ千代田3331という場所で開催されており運命的なものを感じてしまいました)
上記は今年10月に開催された際のリンクになります。
ピクセルピコ
http://pixelpico.net/
私はミニフューズビーズという種類のアイロンビーズを使用しているというのは前述の通りですが、こちらはピクセルピコ様というアイロンビーズ専門の通販サイトを利用しています。アイロン以外の道具は全てここで揃えました。PixelArtParkというイベントでワークショップをされているのをお見掛けしたのですが、とてもアットホームで素敵なお店でした。
BeadsImageConverter
https://github.com/Mogy/BeadsImageConverter/releases
図案作成の項目でもご紹介しましたが、私が主に利用させていただいているツールです。超便利。
また、アイロンビーズ作品はSNSで公開されている方も多く、ツイッターなどで #アイロンビーズ とか、海外だと #artkalbeads なんかのハッシュタグで検索するとたくさん見つかります。興味を持たれた方は是非おもしろい作品を探してみてください。
では皆さん、よきドットライフを。
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
(こんな遊び方もありますよw)