[6日目] やってはいけないこと


本記事は、Cerevoスタッフが業務や趣味について思うままに書き綴るアドベントカレンダー企画「Cerevo アドベントカレンダーTechBlog 2018」の第6日目です。

Cerevo アドベントカレンダーTechBlog 2018
http://tech-blog.cerevo.com/archives/category/adventcalendar/2018/

はじめまして,Cerevo TechBlogでは初登場の椚座(くぬぎざ)と申します。

弊社では様々な(ちょっと変わった)製品を販売していますが,自社内では企画から設計開発までを行い,お客さまにお届けする商品の生産は,国内外の協力工場に委託して行っています。
わたしは,この委託生産の管理を担当しており,おおざっぱに言いますと,製品ができるまでに必要なあらゆるプロセスが円滑に進むよう,良い感じに段取りするような仕事をしています。

さて,子供のころに親や学校の先生から「やってはいけない」と言われたことは,皆様もいろいろとあったのではないかと思います。それが禁止とされた理由はきっと様々で,人が死傷しうる本当に危険な行為から,ちょっと危ないもの,なんらかの規範に悖るもの,そして子供にはまだ早いといったものまであったことでしょう。さらには,こればかりは巡り合わせの不運と申しましょうか。その事物自体には何ら問題はないけれども,たまたま周りにいた大人のお気に召さない何かであったために,非情にもその禁忌目録に余計な一項目が追加された経験をお持ちの方もいらっしゃると思います。そして幼少期に経験したこのような不条理が,のちに趣味嗜好や可処分所得の振り向け方に甚大な影響を及ぼし,経済的な自立と同時に,オタ部屋を丹精込めて築城したというような事例は枚挙に暇がありません。筆者自身も人の親として,これには大いに注意を払おうと思います。

大人になって,そんな禁忌目録を破り捨てみたところで,禁止行為というやつは四方八方から這い寄ってくるのです。なにかを買ってくれば,やってはいけないことの一覧が,もっとも目立つようなところに書いてあったりします。家の中をパッと見回しただけでも「分解・改造禁止」「混ぜるな危険」「脱酸素剤たべられません」と,実にとりどりの禁止があるのです。なんと無粋なことか,と言われれば否定しようがないのですが,しかしこれらは,安全確保のために欠かせない重要な表示であるのです。われわれも,メーカーの端くれとしましては,「注意書きの内容は一字一句額面通りに必ずお守りください」と言うほかありません。

とはいえ,やってはいけないと言われると,もしそれを実行したらどうなるのだろうと考えたりするものですし,その結果が危険だからということならば,実際のところいったいどれほどセンセーショナルな事態が発生するのかという興味が沸くのもまた人情というものです。このような探求心自体は,良いことなのです。ダメと書いてあるからダメという従順な思考を続けていたのでは,本当に危険だから禁止されていること,条件次第では安全に扱えるが一般人向けには禁止としてあること,大人の事情で書いてあるだけのことなど,その軽重を正しくランク付けするための鋭い嗅覚は養われません。大けがをせずに生きるためには,数ある禁止行為や危険の中から,本当にやばいアイテムだけを嗅ぎ分けられることも大切な能力と言えます。

ひとつ,注意書きを無視して間違えるとどうなるのだろうと思って実験してみたことをご紹介します。ガス器具には「都市ガス用」のものと「LPガス用」のものが売られていますが,器具と実際のガス種を逆にすると,どんなことが起きるのでしょうか。まずは,LPガス用のコンロに,都市ガス(13A)を供給して点火したときの様子がこちらです。

一応のところ着火はしましたが,全開でも小さな炎しか起きず,燃焼を継続することはありませんでした。反対に,都市ガス用のコンロに,LPガスを供給して点火したときの様子がこちらです。

こちらは異常に大きな炎となりました。少し絞ると穏やかな状態になりましたが,やはりガス種が合っていないと正常に利用できないことがわかります。

だからなんだと言われれば,ガス器具を買うときはよく確認しましょう,という以外のオチは特にありません。どうなるんだろうと思って,やってみたかっただけなので。

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