こんにちは。 アドベントカレンダー11日目、ハードウェアエンジニアの齊藤です。
毎日2時間電車で通勤していますが、帰り道で酔っ払ったお客さんが増えてきました。忘年会でしょうか、年末ですね。
さて、今回は電子部品の試食についてです。
回路設計者は、部品をピンポイントで選んで本設計にいきなり進む事はそう多くなく、だいたい新しい分野に触れる事になります。
その際、試作を繰り返す訳ですが、なかでも新しい部品の評価を試食と呼んでいます。
電気屋さんが実際に設計を始める前には、ざっくり以下のような流れで準備をします。
(当然ながら個人差や会社差があります)
1. 要件定義からブロック図作成
2. ブロック図に合う部品を探す旅
1つのブロックに対して、だいたい2〜3品種探します。
web情報や、部品の商社さんや、alibabaメーカ等に、skypeやWeChatを介してコンタクトします。
社内で実績のある分野なら、他の設計者に聞くとアツく語ってくれます。
良さそうだなーと思った部品について、サンプルを取り寄せます。
3. 見つけた部品のデータシート読み込み・計算表の整備
多くの場合、サンプルは次の日に届いたりする事はないので
帰りの電車の中などでデータシートを読み込みながら設計ツール(計算表)を整備します。
小さい文字で重要な事が書かれている事が多々あるので隅々までチェックします。
4. 回路の試作・評価
今回私の話題はここがメインです。
回路の試作には以下のような選択肢があります。
4-1. 評価キットを買う
はやさ:×〜○ おかね:△
一般的に使われている部品で評価キットが販売されている場合、それを使う事が早道である場合があります。
ですが、物によっては納期3ヶ月です!(えー)、10万円です!(えー)、では早速お話を聞かせてくださ…(えー) という事が起こります。
4-2. プリント基板を起こす
はやさ:× おかね:△
沢山同じ回路を用意しなければならない場合は有効な手です。
しかし回路入力、パターンの設計、基板の発注〜着荷まで、どんなに急いでも1.5〜2週は掛かってしまいます。
周辺回路の規模が大きくなってしまう部品などは、基板を起こさなければ評価出来ないのでPMとスケジュールの相談をしながら進めます。
4-3. ユニバーサル基板でつくる
はやさ:○ おかね:○
そう大規模ではない単品部品の評価であれば、昔ながらのユニバーサル基板を使った手作りが最も速いです。
時間優先で結果を求める必要がある場合に、私はよくこの手を選びます。
ただし、同じ物を3個4個と作るのには向いていません。
5. 本番回路への取り込み
4-3のユニバーサル基板を使った製作風景をご紹介します。
1. 基板の上にメッキ線で輪を作ります。 これは電源配線になります。
2. 輪の中央に両面テープを貼ります。 一般的な紙用(○イスタック等です)を使っています。
3. デバイスを裏面が上に来るようにして貼り付けます。
貼り付けると1番ピンが分かりにくくなったり、型番が読めなくなったりするのでメモをとります。
4. ユニバーサル基板のピッチをうまく使って周辺の部品を配置します。
5. どんどん繋いでいきます。
6. できました。
7. ソフトの開発も、味見段階ではこの環境で行っています。
え、猫の手も借りたい?
在庫出払ってます…!
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