本記事は、Cerevoスタッフが業務や趣味について思うままに書き綴るアドベントカレンダー企画「Cerevo アドベントカレンダーTechBlog 2018」の第14日目です。
Cerevo アドベントカレンダーTechBlog 2018
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Cerevoの林(りん)です。このブログに登場するのは3回目になります。
この2年、生産の支援や部材サプライヤーに訪問する等で10回以上中国の深センに訪問しました。
このブログでも他の方がネタにしているだけではなく、中国のシリコンバレーとして「深セン」の特集を目にする機会が増えてきたのではないでしょうか。
今回はいま最も中国で注目されている街、深センの言語事情について書きたいと思います。
広東省の多くの地域、香港、マカオで使われる言語とは
深センの場所がいまいちピンと来ない方もいらっしゃるとおもいますので、まずは地図をはります。
広東省の南の沿岸部にあり、すぐ隣には香港というロケーションです。
広東省の省都広州を中心とした地域や香港で使われているのは広東語です。
中国語の方言という位置付けにされていますが、世界各地のチャイナタウンで通じるのは広東語だと言われているぐらいメジャーな方言です。
標準中国語と広東語の差ですが、日本の標準語と方言の差というより、英語とドイツ語ぐらいの違いがあります。
じゃあ深センでは?
はい、では本題です。
深センで使われる主流の言語ですが、
実は
標準中国語です。
背景としては深センという街が1980年代の中国政府の改革開放政策に合わせて発展した街で、中国各地域の労働人口を取り込みながら成長した街の為、広東省内でありながらメインの言語が標準中国語という街になっています。
ただ、隣に香港もあり、周りも広東語を使う街が多いこともあり、地下鉄のアナウンスで第二言語として広東語が使われてたり、香港からの買い物客が多いショッピングセンターでは通じたりします。
英語は?
深センでも最も栄えている羅湖区、福田区あたりに関しては中心部の外資系ホテルや外資系のマクドナルドやスターバックスでは英語が通じたりします。また地下鉄やバスは英語のアナウンスもあります。
ただ、その辺でで英語で話しかけて英語で返事してくる事はほぼないでしょう。
また工場が多くある郊外の地域ではほぼ通じないと考えて間違いないと思います。
以前に私が社長室の方と深センの郊外のホテルに泊まった際に「チェックアウトすら英語が通じない……」と言っていましたが、これが現実です。
方言トーク
基本、標準中国語が喋れれば深センで困る事はないと思いますが、私が訪問した工場や会社であったケースを紹介します。
台湾系EMSの場合
ここの工場は役員やマネージャークラスの人が全て台湾人でした。台湾人の国語は中国語ですが、多くの人が台湾語という方言も話せるケースが多いです。
ここでの打ち合わせに出席した際には台湾人同士は方言で会話していました。
後々にわかった事なのですが、台湾の企業で中国駐在になる場合は方言ができる事を条件としている企業もあり、機密情報やローカルスタッフに聞かれたくない話をする際に重宝するとの事でした。
某部品サプライヤーの場合
電子部品を総合的に扱うサプライヤーに訪問した際にそこの社員同士で話す言葉が標準中国語でもなく、広東語でもなく、台湾語に似ているけどちょっと違うということがありました。
担当者に聞くと使っている言語は潮州語との事で、広東省の潮汕地域で使う方言でした。
潮汕地域(広東省潮州市や汕頭市周辺の地域)
何でもここのサプライヤーの社員の全てがこの地域の出身との事です。
ここまで出てきた標準中国語、広東語、台湾語、潮州語の違いがいまいちピンと来ないと思いますので、みなさんが知っているであろう「你好」という言葉を例に違いを見せたいと思います。
你好の読み方の違い
標準中国語:Ni2 hao3(ニーハオ)
広東語:Nei5 hou2(ネイホウ)
台湾語:Li2 ho2(リーホー)
潮州語:Leu2 ho2(ルーホー)
結論としては深センでは標準中国語ができないと不便な街です。
工場や部材サプライヤーの窓口の担当が英語で問題ないような事を言ってても、現場はそうでなかったということも多々ありますので、ある程度こころづもりをして行きましょう。
一方でいま、深センはものすごいスピードで成長し続けています。もしかしたら10年ぐらい後には英語が普通に通じる街になる可能性もあるのではないでしょうか。
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