モバイル機器開発Tips ~パワーマネージメント その1~


こんにちは、Cerevoの鈴木です。
今回はモバイル機器では必須のパワーマネージメントについて扱ってみます。

なぜパワーをマネージメントするのか?

ノートパソコンや携帯、デジカメなどのモバイル機器には電源としてバッテリが実装されています。
バッテリの容量というのは大小色々ありますが、有限です。
その限られた電力で出来るだけ長時間動作させたい、というのが目的になります。
(もっと大容量、もっと小型のバッテリが使えるようになると話は変わるのかも知れませんが)

良く使われるパワーマネージメント方法

出来るだけ電力消費を抑えるのが目的になるので、実際には機器内部のハードウェア・デバイスを色々と制御することになります。
いくつかの手法がありますが、世の中の常でプロコンがあります。

ソフトウェアスタンバイ

まずはデバイスの省電力機能を使うことが上げられます。
最近のデバイスはレジスタにアクセスすることで省電力モードになるものがあります。
「ソフトウェアスタンバイ」なんて言葉でこの機能が説明されている場合が多いです。
この手法はお手軽で通常の状態に復帰するのも早いですが、一方でそれほど消費電力が下がらないということがあります。

ハードウェアスタンバイ

次にデバイスのピンの電圧を変化させることで省電力状態にする手法があります。
これは上の例とは異なり、外部からターゲットとなるデバイスのピンに対してHigh or Lowをハード的に出力する手法になります。
「ハードウェアスタンバイ」なんて言葉で説明されている場合が多いです。
この手法はHigh or Lowを出力する仕組みが別途必要になるのでお手軽ではないのですが、大体の場合は消費電力が大幅に低下します。

電源制御

最後はターゲットとなるデバイスの電源をOFFにしてしまう手法です。
これは分かりやすいですね。消費電力は0になります。
ただし、電源ラインをON/OFFできるスイッチ(古くはリレー、最近はFETなんかで構成できます)とそのスイッチを制御する仕組みが別途必要になるのでハードウェア的には一番複雑になります。
しかも電源をOFFにしてしまうので、通常状態に復帰させるためには電源をONにして初期設定をし直さないといけません。
・・・でも、でも、「消費電力ゼロ」は魅力的なわけです。また、起動に1分かかるPCとは違って、起動して初期設定完了まで1~2秒程度、なんてのが一般的なので、意外に使えちゃったりするわけです。ケータイのカメラなんかは良い例ですね。

まとめ

概要は以上なのですが、実際には機器内部には多くのデバイスがあって、動作仕様によって今回の3つの手法を織り交ぜて使います。
パワーマネージメントはハードとソフトが協調して動かないといけないので、ちゃんと設計しないといけない雰囲気は伝わったかと思います。
次回は少し具体的な例を紹介しようと思います。

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