アルバイトの中島駿太朗です。主にメカ設計をやっています。
静岡の大学で機械工学を3年間学んだあとに休学してCerevoで修業中です。
今回は9月7日にNHK総合のクローズアップ現代+で放送された「逆転ホームランなるか?日本の”新・ものづくり”革命」の中でトップエンジニアとして紹介されたCerevoのエンジニア陣について書きます。
日々Cerevoのエンジニアと接していると「あなた、そんなことまでできるの!?」と驚くことや、「ちょろっと遊びで作った〜」という物が「スゴッ!!」と感じることが多くあります。ただそれは私がエンジニアとして未熟者だからなのかCerevoだからなのかはCerevo以外のエンジニアさんと仕事をしたことがほとんどないのでわかりません……
とにかく、まだまだエンジニアとして未熟な私としては、Cerevoに在籍するようなスキルフルなエンジニアはどうやって出来上がってるのかな?、というのは気になるところです。というわけで今回Cerevoエンジニアのみなさんに以下のようなことを聞いてみました。
- 現在使用する知識・スキルを獲得した場所は?(計100の比率で)
- 大学など学校
- 大学院
- 前職(Cerevo以外)
- Cerevo
- その他(趣味・独学など)
- オススメの知識・スキル獲得法
- 専門分野でオススメのWebサイトや本(コンテンツ)
- その他(自由)
現役エンジニアの感じていることを聞くことが出来たと思うので、エンジニアを目指す人・別ジャンルにスキルの幅を広げようとしている人の参考になれば幸いです。
1. スキル獲得した場所
現在Cerevoで使用する知識・スキルをどこで身につけたか、についてです。
このエントリではCerevo内で大まかに分かれている以下の担当ごとに話を進めていきます。
- デザメカ(デザインとメカ設計をする人達)
- アプリ(Webサービスやスマートフォンアプリ、サーバ、データべースを扱う人達)
- 組込みソフト(製品に搭載するソフトウェアを開発する人達)
- 電気(回路設計、基板設計、部品選定をする人達)
※上記、大学院の項目をAの「学校」に含めて書かせて頂きます。
まずエンジニア全体の結果です。
全体で見るとこんなに綺麗に4分割になるとは……驚きでしたw
続いて上記4つの担当を順番に見ていきます。
各担当に分けてみると、それぞれ特徴があるようです。
※回答人数が限られる事、外れ値など統計上の処理を行っていない事から、正確な傾向が表れているとは言えないかと思います。あくまでCerevoに在籍するエンジニアについて得られた結果である事を理解した上でご参考ください。
一人一人の比率を詳細に知りたい方はこちら→アンケート結果
デザメカ担当の自分としてはデザメカの人達の前職(Cerevo以外)の比率が大きいのは「やっぱりか」という印象です。というのは実際にCAD上で製品設計をした時は完璧なつもりでも、出来上がってきた試作品がダメダメという失敗を私自身が現在進行中でやってしまっているからです……その失敗から自分の設計の見落としポイントを学ぶことが多いので、そのサイクルの経験が多いほどCAD上での設計の見落としポイントが減っていくのだろうなぁ、と思います。ただその失敗をするとお金と時間が吹っ飛ぶので、なかなか個人や学校でその経験を数多く積むのが難しいのかなという印象です。
上の結果から考えてみると、各分野どこで専門知識・スキルを学ぶのが良いのか、ヒントになるかもしれません。
技術の変化が速い分野は最近(つまり前職やCerevo)に得られたスキルであったり、作る上で必要となるものが比較的安価に手に入って趣味になるスキルであったり、といったような様々な要素で考えられると思います。
またCerevoに入ってから今までとは違う分野も担当するようになったということが多くあるようなので、それも比率に大きな影響があるんじゃないかと思います。例えばデザメカで、デザインだけを担当していた人がCerevoに入ってからメカ設計もやるようになった、とかその逆とか、よくあるようです。
2. 知識・スキル獲得法
続いて、オススメの知識・スキル獲得法を聞きました。ここでは今現在Cerevoで使用する知識やスキルを身につける上で効率が良かった方法や、今でも仕事中に分からないことがあった時にどうするか、を聞きました。
まず担当分野に関係なく支持が多いのが次の2つです。
・自分で手を動かしてやってみる(作ってみる、使ってみる)
・ググる
何はともあれ自分で手を動かして作ってみる(使ってみる)。わからないことがあれば、とりあえずググる。以上に尽きるようです。
自分で手を動かして作ってみる(使ってみる)というのは、本や雑誌、Webサイトなどの資料を読むだけにとどめないという意味です。
例えば、作ろうと思っているものに似た製品を分解して色々な視点から観察し、仕組みや設計意図を考えてみる。プログラミングをするような分野ではサンプルを写経するところから始める。なるべくそこから発展させてサンプルにないオリジナルのものを小規模でもいいので作ってみる。という意見がありました。
その他の回答を以下にまとめておきます。
- 知っている人に聞く(答えを得る最短ルートですが、聞くのは失敗してから、という意見も…)
- いろんなジャンルの人と突っ込んだ話をする。ベテランの話はオモロイ。
- 自分で試した時、そのブログを書く。(後々、過去の自分に助けられる)
- 社外の勉強会に参加する。発表する。(その道のトップレベルの人に教えてもらえる)
- 学校の勉強をちゃんと学ぶ。
- 関連する本を読む(基礎固めとして読む。)(本はわからなくなったら素直にあきらめて3か月くらいしたらまた読む)
3. オススメのコンテンツ
次に専門分野で参考になったとか良質だと思うWebサイトや本を紹介して頂きました。
ここでもGoogleを推して下さったエンジニアが何人もいたので、Googleでの検索能力を上げるのは必須スキルなのかもしれません。
その他、以下のようなものが回答として上がりました。
- はてなブックマーク
- getpocket.com
- 技術的にヤバい人のTwitter・メーカー公式アカウントの中の人の個人アカウント
- 各プログラム言語やフレームワークの公式リファレンス
- CiNii (論文サイト)
- iFixit (デバイス修理マニュアルのwiki)
- GitHub
- stack over flow
- Qiita
- 技術評論社 Software Design
- 定本シリーズ
- アプリケーションノート (電子部品・回路などデバイスの応用例についての資料)
- http://www.khkgears.co.jp/gear_technology/pdf/gijutu.pdf (デザメカ、ギア資料)
- http://www.linear-tech.co.jp/designtools/lt_journal.php (電気 IC)
- man page (UNIX系OSの電子化されたドキュメント manコマンドで閲覧可能)
- kernel.org
4. その他
最後に、何か伝えたいことがあれば……ということで自由に答えて頂きました。
担当分野に関連がありそうなものは回答者の担当を記載しています。
「遊び・趣味はプラモとかラジコン、ゲームすらも意外と仕事にフィードバックできる。面白いと思ったことが一番身になります。」
「引き出しは増やしておくほうがいい。後で役に立つかどうかはそのときにはわからない。」
「気になったもの(ガジェット、スマホ、アプリ、電子工作キット、PCなど)は理由を付けて買って散財しておくと、いつか役に立つかもしれない。」
「とにかく手を動かして相場感とネタを身につけておくと、いつか役に立つ。」
「やりたいこと実現するためには、目の前のことを積み重ねて落とし所を見つけること。」
「自分の触った事のないジャンルは結構アイデアの宝庫。」
「電気・メカ・ソフトを自分でやることでエンジニアとしての視野が広がる。」
「なるべく曖昧なワードでググるといい。」
「エンジニアは特に開発を進める上で先の日程が読みにくい(だいたい遅れる)・成果が数値化しにくい。 だからこそ自分のモチベーション(軸)が何かを早く見つけて伸ばすことが大事だと思います。」
「自分が苦手そうな人にあえて話をしにいって人見知りしないようにする。(プロマネ兼任)」
「技術の変遷が速いので臨機応変な適応力が必要。深くマスターするよりいろんなものを即自分の道具として使いこなせるような訓練をしたほうがいい。 ただ、Linuxやネットワークプロトコルなどの知識はずっと役に立つ。(アプリ担当)」
「何より先に熱設計をやるべき。(電気担当)」
「深圳を上手く使え。 ドル円105円くらいになれ。」
「向上心のないものは馬鹿だ。」
「運動、瞑想、睡眠、野菜350g。」
「追い詰められると大体、なんでもできる。」
「楽しく学べ。」
以上、Cerevoに在籍するエンジニアが仕事に使う知識・スキルを獲得する方法について、まとめてみました。
エンジニアを目指す同志の皆さん、とりあえず自分の手を動かすところから始めていきましょう!